運転技術に自信があって軽貨物運送業のドライバーとして独立したいと思っても、現在の仕事とかけ離れていれば実態を知ることは難しいでしょう。儲かるという人もいれば、儲からないという人もいます。
そこで今回は、軽貨物運送業のドライバーとして稼げる働き方や稼ぐコツ、向かない人の特徴など軽貨物運送業の仕事についてご紹介します。
軽貨物運送業は稼げる?稼げない?
軽貨物運送業のドライバーとは軽自動車を利用して比較的小さくて軽い荷物を運ぶ仕事で、正式な名称は「貨物軽自動車運送事業」です。初期費用が少なくて済み、シニアの女性でも働きやすいといわれています。
どのような仕事でも同じですが、この仕事に向いている人なら稼げるし、資質がなければ稼げない仕事です。軽貨物運送業のドライバーの収入の実態は、働き方によって異なりますが手取りで月に約20万円から50万円が相場だといわれています。
単発の案件を複数こなして稼ぐ場合は、1日に何個の荷物を運べるかがカギです。荷物1個あたりの単価や配達指定時間、配達エリアなどによっても手取りが変わります。
稼げる人なら1日に200個以上の荷物を配達して、月に100万円ほど稼いでいます。稼げない人の具体的な収入はわかりませんが、特に扶養家族がいる場合は軽貨物運送業1本では生活できないようです。
軽貨物運送業で稼いでいる人の働き方
軽貨物運送業のドライバーとしての働き方には、3つの方法があります。1つは運送会社と雇用契約して、社員として働く方法です。
個人事業主としては運送会社と業務委託契約をして委託で働く方法と、マッチングサイトなどで自身で仕事を見つけて働く方法があります。
しかし、現実的には個人事業主として働く人がほとんどで、2つの働き方を比較するなら運送会社と委託契約をする方が稼ぎやすいといえます。
たとえば、月100万円稼いでいる人は、月に4日休むとすると1日に5万円程度の売り上げが必要です。1日に対応できる荷物の個数は、慣れた人でも250個が限度だといわれています。
この条件で試算してみると5万円×26日で、月に130万円の売り上げになります。そこから運送会社に支払うロイヤリティや、仕事のマッチングサイトなどに支払う仲介手数料などとして20%を差し引くと手元に残るのは104万円です。
ロイヤリティや仲介手数料は、15%から20%ほどが相場です。ガソリン代などの経費や所得税などの税金、社会保険料なども見ておく必要があります。
軽貨物運送業に向かない人
自己管理能力の低い人は、軽貨物運送業のドライバーには向かない人です。この仕事では荷物の積み下ろしや配達時以外は、すべて1人での作業となります。
人の目がないと気が緩んでしまう人にはできない仕事です。1日の配達個数が決め手となる軽貨物運送の仕事は、他の仕事以上に時間の管理も大切です。配達計画が上手く立てられないと、無駄な時間ばかりかかります。
時間指定の配達があるのはもとより、ネットスーパーなどの配送でもある程度の配達時間が決められています。荷物を効率よく運ぶための体力の維持などの健康管理も必要です。
軽貨物運送業のドライバーは渋滞などで配達が遅れるなど、自分の責任ではないことでクレームを受けることがあります。
人に頭を下げるのが嫌だからという理由で軽貨物運送業のドライバーになっても稼げないでしょう。フリーランスの仕事ですから、仕事を見つけたり運送会社に上手く自分を売り込んだりする営業能力がないと最低限の収入しか得られません。
軽貨物運送業で稼ぐコツ
軽貨物運送業のドライバーとして稼ぐコツは、効率よく荷物を運ぶことです。そこで大切なのがルートの選び方になります。
交通量や混みやすい時間帯などを考慮して、最短の時間で荷物を運べるように徹底的にルートを調べましょう。渋滞や工事で通れない場合などを想定して、代替ルートも考えておくといざというときにも安心です。
荷物の積み方でも時間短縮ができます。荷物の大きさを揃えたり大きさによって置き場所を決めたりしておくと荷物の出し入れがスムーズになり、途中で荷崩れして積み直したり荷物を探したりする時間もなくなります。
配達の途中でスペースが空いてきたら、荷物を平均にならすことでも荷崩れを防ぐことができ配達効率のアップが可能です。配達の順番を考えて荷物を配置し、順番が早いものほど扉の側に置くことも時短につながります。
提携する運送会社を選ぶ際の見るべきポイント
軽貨物運送業のドライバーとして働く場合、運送会社とは業務提携ではなく業務委託になります。業務提携のように協力して業務を行うのではなく、軽貨物運送のすべての仕事を請け負うという意味です。
ほとんどの場合、業務委託する運送会社は自身で求人広告などで探さなければなりません。
稼ぐためには運送会社選びも大切です。運送会社によって、案件や荷物の単価、支払うべきロイヤリティなどが異なります。車を借りる場合はリース料もかかります。
ロイヤリティは仲介や不測の事態で仕事ができない場合のフォローのための料金なので、代走を出してくれるかという点も重要なポイントです。
稼ぐためには、副業の可否を確認しておくことも重要です。複数の会社をピックアップしたら、実際に出向いて会社の雰囲気を見たり話を聞いたりして妥協せずに運送会社を選びましょう。
まとめ
軽貨物運送業のドライバーとして働く人のほとんどが、独立した個人事業主として運送会社と委託契約を結んだりマッチングサイトを利用するなどして自身で仕事を探したりして働いています。
収入は働き方によるので、儲かる人もいれば儲からない人もいるというのが実態です。体力や自己管理能力に自信があるなら、稼ぎ方のコツを利用して軽貨物運送業のドライバーとして稼ぎましょう。